「富士宮市内で地震発生!あなたの家は大丈夫?」地震大国ニッポン。国内どこにいても危険ですが、富士宮市も活発な地震活動の影響を受けやすい地域です。過去の地震被害を知ることで、どんな備えが必要かが見えてきます。この記事では、実際にあった被害事例をもとに、日常生活で取り入れられる具体的な地震対策を紹介します。
富士宮市で発生した2000年代の主要地震

2000年代に富士宮市を襲った2つの地震について、発生の背景や市内への影響を詳しく見ていきます。まずは、2009年に発生した駿河湾地震から紹介します。
主な地震データ比較表
地震名 | 発生日時 | 規模(M) | 富士宮市震度 | 主な被害 |
---|---|---|---|---|
駿河湾地震 | 2009年8月11日 午前5:07 | M6.5 | 震度5強 | 県全体で負傷者多数、住宅被害あり |
静岡県東部地震 | 2011年3月15日 午後10:31 | M6.4 | 震度6強 | 富士宮市で大規模停電、負傷者発生 |
出典:静岡県公式HP「静岡県に被害をもたらした主な地震」より
これらの地震から得られた教訓は、現在の防災対策に活かされています。
2009年駿河湾地震|富士宮市への影響と被害状況

この地震では、富士宮市が県内最大震度となる震度6強を記録しました。その詳細を見ていきましょう。
地震の基本データ
- 発生日時:2009年8月11日午前5時7分
- 震源地:駿河湾(御前崎の北東35km沖)
- 規模:マグニチュード6.5
- 富士宮市の震度:5強
被害の特徴
静岡県全体では以下の被害が発生:
- 死者・負傷者が発生
- 住宅被害:半壊・一部損壊が多数発生
- 全壊住宅:ほとんどなし(耐震対策の効果を実証)
出典:静岡県公式HP「静岡県に被害をもたらした主な地震」より
出典:Wikipedia「駿河湾地震(2009年)」より
注目すべき点
大きな揺れを記録した地域でも全壊家屋は極めて少数でした。これは静岡県が長年進めてきた「TOUKAI-0」プロジェクトによる耐震化の成果といえます。
2011年静岡県東部地震|震度6強が襲った富士宮市

次に、発生日時や震源地など、地震の概要について見ていきます。
地震の基本データ
- 発生日時:2011年3月15日午後10時31分
- 震源地:静岡県東部(富士山南麓)
- 規模:マグニチュード6.4
- 富士宮市の震度:6強(県内最大)
深刻な被害状況
インフラへの影響
- 停電:富士宮市内で大規模停電が発生
- 断水:静岡県内で断水被害
- 交通:富士山スカイラインで路面亀裂が多数発生
出典:静岡県公式HP「静岡県に被害をもたらした主な地震」より
出典:Wikipedia「静岡県東部地震」より
富士山への影響
- 5合目で大規模な地面亀裂が発生
- 定期的な測量による安全確認が現在も継続中
出典:国土地理院「平成23年3月15日22時31分頃の静岡県東部の地震に伴う地殻変動について」
産業への打撃
富士宮市内の企業でも被災が報告:
- 製造業を中心に停電による生産停止
- 設備の損傷により操業に影響
- 東日本大震災との複合的な影響で経営に打撃
出典:Wikipedia「静岡県東部地震」より
特筆すべき点
東日本大震災の5日後という タイミングでの発生により、二重の災害対応が必要となりました。
過去の地震から見える富士宮市の地震リスク

こうした過去の経験を踏まえると、富士宮市が地震に対して抱えるリスクの構造が浮かび上がってきます。まずは地域の地理的な特性に注目してみましょう。
地理的特性によるリスク
富士山南麓という立地
- 活断層の存在:富士山周辺には複数の断層が存在
- 地震の集中:富士山麓は地震活動が活発な地域
- 地盤の特徴:火山性の地盤は揺れが増幅されやすい
東海地震との関連性
専門機関の見解:
- 2011年の地震は「東海地震とは異なる発震機構」
- ただし、間接的な影響は否定できない
- 引き続き注意深い観測が必要
出典:地震調査研究推進本部地震調査委員会発表
複合災害のリスク
富士宮市特有のリスクとして:
- 富士山噴火との連動可能性
- 地震+火山活動の複合災害への備えが重要
富士宮市が実施する地震対策|アクションプログラム2023

こうしたリスクに対処するため、富士宮市では具体的な行動計画が策定されています。その根底にある理念と目標を見ていきます。
基本理念
「減災・被災後生活の健全化」
3つの基本目標
①地震から着実に命を守る
- 建築物の耐震化推進
- 避難施設・経路の整備
- 地域防災力の強化
②被災後も命と健康を守り、生活再建に繋げる
- 避難所運営体制の充実
- 要配慮者支援の強化
- 備蓄の徹底
③地域を迅速に復旧し、復興に繋げる
- 災害廃棄物処理体制の確保
- ライフライン復旧体制の強化
具体的な数値目標
- 想定犠牲者の9割減災を令和7年度までに達成
- 92のアクション項目で総合的な対策を実施
今すぐできる!富士宮市民のための地震対策

地震対策は行政だけでなく、市民一人ひとりの行動がカギとなります。まずは家庭内でできる備えから見直していきましょう。
家庭での備蓄(最重要)
必要備蓄品チェックリスト
分類 | 品目 | 必要量(1人分) | 備考 |
---|---|---|---|
飲料水 | ペットボトル水 | 21L(7日分) | 1日3L×7日間 |
主食 | 米・パン・麺類 | 7日分 | ローリングストック推奨 |
非常食 | 乾パン・缶詰 | 3日分 | 調理不要のもの |
副食 | 漬物・梅干し | 適量 | 日持ちするもの |
調味料 | 塩・醤油・味噌 | 適量 | 少量パック推奨 |
燃料 | カセットガス | 6本 | 卓上コンロ用 |
照明 | 懐中電灯・電池 | 各2個以上 | LEDタイプ推奨 |
衛生用品 | トイレットペーパー | 12ロール | 携帯トイレも必要 |
出典:静岡県富士市「地震に対する普段からの備えについて」より富士市防災マップを参考に作成
備蓄のコツ
ローリングストック法を活用:
- 普段から多めに食材を購入
- 古いものから消費
- 使った分だけ補充
家具固定で命を守る
固定すべき家具
- 背の高い家具:本棚、タンス、冷蔵庫
- 重い家具:テレビ、電子レンジ
- ガラス製品:食器棚、鏡
配置の工夫
- 寝室には背の高い家具を置かない
- 避難経路をふさがない配置
- 重いものは下、軽いものは上に収納
避難計画の作成
家族で決めておくこと
- 集合場所:自宅、学校、避難所
- 連絡方法:災害用伝言ダイヤル171の使い方
- 避難経路:複数のルートを確認
富士宮市防災マップの活用
市役所や公民館で無料配布中:
- 避難所の場所を事前確認
- 危険区域の把握
- スマホアプリも利用可能
耐震対策への取り組み
無料耐震診断の活用
対象住宅:
- 昭和56年5月31日以前に建築
- 木造住宅
耐震補強工事への補助(今年度で終了予定)
- 一般世帯:最大107万円
- 高齢者・障がい者世帯:最大127万円(+20万円)
出典:富士宮市「木造住宅の耐震改修事業(補強計画一体型)」より
富士宮市の防災支援制度と相談窓口

自助努力とともに、市の支援制度を活用することも重要です。富士宮市が提供する具体的な支援策を確認しておきましょう。
主な支援制度
耐震関連
- 無料耐震診断:市が専門家を派遣
- 耐震補強工事補助:最大127万円
- 家具固定支援:高齢者・障がい者世帯対象
出典:富士宮市公式HP「富士宮市地震対策アクションプログラム2023」より
防災用品
- 感震ブレーカー設置補助
- 防災マップ無料配布
- 防災アプリ提供
相談窓口一覧
建築・耐震関連
- 建築住宅課
- 電話:0544-22-1111(代表)
防災全般
- 危機管理局
- 電話:0544-22-1319
- 所在地:市役所地下1階
富士宮市公式HPは、こちら!
緊急時の情報確認
- 同報無線確認ダイヤル:専用番号で放送内容を確認可能
- メール配信サービス:富士宮市公式HPから登録
過去の教訓を活かした備えで命を守る

富士宮市で発生した2009年駿河湾地震と2011年静岡県東部地震は、私たちに多くの教訓を残しました。特に震度6強を記録した2011年の地震では、停電や富士山への影響など、地域特有のリスクが明らかになりました。
重要なのは、これらの経験を今後の備えに活かすことです。富士宮市の支援制度などを活用し、家庭での備蓄や耐震対策を着実に進めて、次の地震に備えましょう。防災は一日にしてならず。今日から始める小さな一歩が、あなたと家族の命を守る大きな力となります。